「恋敵」





 耳の奥を焦がす
 たましいの声が
 瞳を青く青く染めて
 叫ぶ

 甘ったるい
 瓶の中身に触れる
 酷く喉が渇いて
 喘ぐ

 知った私は
 ぐずりぐずり
 アスファルトの上
 まぼろしと踊る

 もう二度とこない
 この命は蝉にも似て

 暮れを待つ日々を
 いくつも越えて

 あなたより一時でも永く
 この空を仰いでみせるわ





 20090729