「アリスは語る」
もしもわたしが
追い掛けなければ
結末に出逢わないままで
もしもわたしが
飲み込まなければ
空の遠さを知らないままで
そもそもわたしが
眠らなければ
あなたの夢など見ずに済んだ
ああ、
ああ、
何度も願った
濃いひなたのにおい
あなたの腕の中で
とろけるように迷う
おしまいは此処に描かれたとおり
けれどまだ指先が捲りたがらない
もう手遅れなので
見逃してください
せめて瞳から溢れるまでは
20090805
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