「メリー、メリー、」





 優しいことばかりじゃないって
 むしろ夜の方が長いんだって

 気づいていても
 傷ついていても
 ぼくらは笑った

 消える音には耳も貸さず
 ぼくらは次の夢を見た
 小さな輝きを見逃さないよう
 ぼくらはまばたきを短くした

 しゃぼん玉に世界を閉じこめて
 虹色にひかるのを眺めて

 星と星をゆびさきで繋げて
 ありもしない物語をふたりで



 メリー、メリー、

 すぐに冷たくなる幸せへ
 手向けるからどうか早く
 明日の朝を運んでおいで





 再録