「かみさまのこたえ」





 あふれてやまない土砂降りの日に
 流れ星を指さしてあげられるほど
 ぼくらの手はもう小さくはないね

 舌の上でざらつく甘さを
 いくら優しく手渡したって
 かたちに成れないことばが
 土に還ってゆくだけだ

 なにひとつ芽吹かないよ



 目覚めのための夢をみるんだ
 結末はいつも同じだけれど
 まぼろしの意味も知っているから

 話すきみの眼は星の死に方に似ていた



 かみさまのこたえが欲しい

 だまされたまま朝と会うきみに
 だれにも汚せない本当をあげたい





 20090926