「夜間酔い言(よまよいごと)」





 半重力が支配する世界
 いつもより小さな空に願う

 熱にうかされた夜だから
 もう我儘は言えないけれど

 またひとめぐりをして
 行き着く先に夢を見せて

 とける魔法でかまわない
 滲んだついでに迷わせて



 かかとの羽根が嬉しくて
 くちびるが歌をこぼしたら
 電柱に怒られて目が覚める

 見透かせない雲にぶつかった
 涙ではお詫びにならないかしら





 20091023