「分離」





 呑まれたのはわたしかあなたか
 薄暗い境目で吐き出す二酸化炭素が
 ぬるむ明日に押し遣られて沈んだから
 足先ばかりが冷えてかなわない

 お陰様で頭の中はうつらうつら
 引っ張りだこされて傾いでいる
 お願い飽きたらすぐに解放して
 でないと裂けた首からぼろが出てしまう

 止まない零時のベルは痺れた手の所為
 半端の心地良さにたゆたうふりをして
 わたしは戸惑いを正当化するために
 幼さを思い出しながら脆い盾をつくった

 必ず朝が来ることの何が大丈夫なのか
 どうか幾度目の既視感を経ても分かりませんように





 20091221