「旋律」





 見上げれば青々と
 紗(うすぎぬ)は広く

 かろやかに駆ける
 天上の五線譜

 ぼくらはぼくらのまま
 必死の爪弾きが楽しくて

 不器用でかまわない
 耳障りになどならない
 だれの許しも要らない

 それで良かった
 それが良かった



 どこまでもなだらかな日々を
 描いた 歌った

 いつか見えるはずの終止符まで
 泣いた 笑った





 20100121