「あかあおきいろ」





 誰より上手に点滅できたと
 誇らしげに笑っているけれど
 爪先はもう既に致命傷
 手遅れの色を流している



 わかっていたよ

 本当はいつだって
 笑いながら叫んでいた

 確かにまぶしくなっていきながら
 少しも綺麗なんかじゃなかった

 空が等しく青いうちに
 あの子のように
 あの人のように
 白い梯子から落ちないよう
 手を繋いで渡れていたなら



 誰より危うい点滅を繰り返し
 とうとう膝まで笑い始めたけれど
 すべてが赤く終わるまで
 きっとわたしは気づけない




 20100401