「アンドロメダは輝かない」





 手向けるわけではないけれど
 忘れたいわけではないけれど



 ひねた言訳もそこそこに
 空を仰いで影送りしよう

 幾億の雑踏へと放り捨てて
 知らないふりで駆け出せていたら
 街灯のまぶしさを呪うことも
 きっとなかったに違いない



 せめて見失ってみたかった



 整然と慰めが並んでいる
 暗がりが夜を訴えている
 厭きたものたちに囲まれながら
 送れない影を持て余していよう

 輝かないアンドロメダを越えて
 どうせ朝は来てしまうんだ





 20100503