「ソラリ」





 つまり
 手を離さなくたって
 いつかは眠らなくちゃいけない、
 ってことか



 途切れたところを想いながら
 思い出せない色を閉じながら

 水気を含む温度どころか
 指紋さえ遺らない日々を奔る

 嘘のある景色が引っ掻いた傷は
 どれもこれも本当に痛くて
 縋ることは許されないんだって
 泣きながら憶えてしまった



 奔って奔って息が切れて
 そのうち止まってしまったら
 少しは近づけるかもしれないけれど

 かわらないものに恋するのって
 どうもせつないよ、ソラリ





 20100619