「モールスの鼓動」





 くすぶらせているというのに
 正しい方法でしか出てゆけない
 確かさしか求められていない

 声に成れる瞬間はあった
 隔たりをまとった瞳同士が
 拒んだからこぼれてしまった



 きみへ伝わるために
 生きているのだとしたら

 それが理由で飛べないぼくを
 笑ってくれるだろうか

 そんなのはただの言い訳だろう、って
 あのときの優しさだけ連れて
 見破ってくれるだろうか






 20100715