「今を、いつか」





 ごみ箱からこぼれたものを
 拾い上げて
 皺を伸ばした

 要らないのなら
 もらおうと思って



 たしかに生まれたんでしょ

 ここが産声をあげたから
 きみの感情を伴なって
 どうしようもなくなって
 生まれてきたんでしょ

 むずかしい背伸びをしないでよ
 そんなので綺麗を装ったって
 節々の歪さしか目立たないよ



 きみはもう忘れたって構わない
 ぼくが持っておいてあげるから

 いつかこの荒削りな
 とても簡単な歌をうたおう

 美しくなりますようにって
 だれかの目を気にするよりも
 腹の底から叫べるような
 とても素敵な歌をうたおう






 20100728