「空蝉」





 信じていた世界で
 裸足を気にしないで
 思いきり泣きながら
 もういちど生まれたい

 欲ではなくて
 望みではなくて
 人間の匂いのしない
 夢だと言い張りたい

 伝え切って
 空っぽになって
 抱くことのできる腕で
 飛びたい

 轟く、いのちのまま






 20100824