「午睡」





 塗潰されたきみの顔を
 とうとう思い出せずに
 泥臭い夢を蹴飛ばした
 脹脛まで綺麗に汚れた

 爪先から溶ける温度を
 何度も描いたところで
 生温い溜息が生まれて
 午後三時に消えてゆく

 遠く薄くなっても
 触れられなくなっても
 夜明けをちゃんと分かる為に
 僕らはまた目覚めなくちゃ






 20100906