「ラビュー、ラビュー、」





 一切の、しがらみ、と呼べるものを投げ捨てる

 夜明けなどと甘いことは云わずに
 午前零時の訪れすら許さずに
 屈強になった薄い瞼の裏を生きる

 殻を割り開く新芽のような
 勢いを忘れない秋雨のような
 止められない強さがそこにある

 瞬間は、信じるのではなくて、真実なのだ
 (心は早々に白旗を振ってしまっていた)

 パステルカラーを亡くした絵筆の柄を折り
 黄色い薔薇の造花を飾ろう
 棘もなければ芳香もなにもなくていい
 花言葉は向けるべき矛先を知っている

 貴方を、想う、とはそういうことだ






 20101020