「瞳」





 ちいさな光が差して
 色のない遺体になる
 行方を確かめる勇気はない

 眠れるかどうか分からないけれど
 そんなことより閉じてしまって
 差されたことで生まれるものを
 まぶたのこちら側で育てたい

 傷付かず、
 こぼさず、
 すりぬける、
 都合のいい器用さを探す



 もう
 窓辺が静かになったから
 声を隠せない





 20110609